成形

九谷焼の成形は、職人が手作業で一つ一つ形を作る、非常に大切な工程です。この工程を通して、九谷焼ならではの個性や美しい形が生まれます。

1. 土の準備

  • 成形に入る前に、土の水分や硬さを調整します。土の硬さは、季節や湿度で変わります。職人が手で触れて、ちょうど良い柔らかさに整えます。

2. 手ろくろでの成形

  • 九谷焼の成形には、「手ろくろ」という道具を使います。手ろくろは、回転する円盤の上で土を形作る技術です。職人は土を押したり引いたりしながら、器や花瓶などさまざまな形にします。土がろくろの回転に合わせて伸びたり広がったりして、美しい形が生まれます。

3. 丁寧な仕上げ

  • 基本の形ができたら、表面を滑らかにします。この工程では、器の厚さや口縁(ふち)の美しさを整えます。また、全体のバランスも大切に調整します。仕上げによって、器が使いやすく、見た目も美しくなります。

4. 乾燥

  • 成形が終わったら、乾燥させます。乾燥は急がず、ゆっくりと時間をかけて行います。ゆっくり乾燥させることで、土の水分が均等に抜け、ひび割れや形のゆがみを防ぎます。

こうして成形された九谷焼は、次に「素焼き」や「絵付け」といった工程へ進みます。成形の技術が、九谷焼の美しさや使いやすさを支えているのです。

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